「英語をもっとスラスラ読めるようになりたい」
そう思って、意気揚々と洋書を一冊買ってみたものの、数ページで挫折して本棚の肥やしになっている……。
そんな経験、あなたにはありませんか?
実はこれ、かつての私の姿そのものです。
「読めば読むほど力がつく」という言葉を信じて、少し背伸びをした難易度の本に挑戦し、1行ごとに辞書を引いては溜息をつく。
そんな日々を過ごしていた頃の私は、英語を読むことが「楽しみ」ではなく、ただの「苦行」になっていました。
なぜこれほどまでにしんどいのか、どうすれば「読めている」という実感が持てるのか。
そんなモヤモヤを抱えながら、試行錯誤の末にたどり着いたのが、今回お話しする「多読(たどく)」という学習法です。
多読は、ただ「たくさん読む」だけではありません。
そこには、挫折を繰り返した私だからこそ伝えられる、大切な「心の持ちよう」と「具体的なコツ」があります。
この記事では、プロの専門家としてではなく、あなたと同じように英語に悩み、遠回りをしてきた一人の学習者として、私の体験談をたっぷり交えながら多読のやり方をお伝えしていきます。
「多読がいいのは知っているけれど、どうしても続かない」
「簡単な本を読めと言われても、何から手をつければいいかわからない」
「多読だけで本当に試験の点数やリーディングスピードが上がるの?」
そんな疑問や不安に、私の実体験から得た「生の声」でお答えしていきます。
この記事を読み終えたとき、「あ、今の自分でもこれなら始められるかも」と、少しだけ心が軽くなってもらえたら嬉しいです。
知識の押し付けではなく、私の失敗談や成功体験を皆さんのこれからの学習に役立てていただけるよう、丁寧にお話ししていきますね。
多読 英語 やり方の結論:挫折しないための3つの柱

私が数年間の多読を通じてたどり着いた結論、それは以下の3つの柱に集約されます。
「プライドを捨てて、圧倒的に簡単な本から始めること」
辞書を引かなくても物語を楽しめるレベル、例えば「くまのプーさん」や「スヌーピー」のような、子供向けと思えるものからスタートするのが、実は一番の近道でした。
「忙しい生活の中に、朝一番の自分だけの多読時間を作ること」
仕事で疲れ切った夜ではなく、脳がフレッシュでやる気がみなぎっている朝の1時間を活用する仕組みを作ったことで、多読は「勉強」から「生活の一部」に変わりました。
「文構造を意識しつつ頭から読み、要約する癖をつけること」
ただ文字を追うだけでなく、時折文法的に構造を確認し、読んだ内容を自分の言葉でまとめ直す。
この「しんどいけれど効果的なステップ」が、リーディングスピードの飛躍的な向上を支えてくれました。
多読は、決して「修行」ではありません。
むしろ、これまでの「勉強」という枠組みを一度壊して、英語という言葉を「体験」し直すプロセスだと思っています。
1つだけの正解を追い求めるのではなく、自分のレベルやライフスタイルに合わせて、柔軟にやり方を変えていくこと。
それが、無理なく10万語、100万語と読み進めていくための、唯一にして最大の秘訣だと感じています。
多読 英語 やり方が変わった理由:辞書・難易度・挫折の正体

なぜ私がこのような結論に至ったのか、まずは私の泥臭い失敗談からお話しさせてください。
今でこそTOEFL iBTで90点、IELTS 7.0といったスコアを出せるようになりましたが、多読に出会う前の私は、常に「英語を読むこと」への恐怖心と戦っていました。
辞書という名の「足枷」に縛られていた過去
以前の私は、「知らない単語に出会ったら、いちいち調べて完璧に理解しなさい」という教えを忠実に守っていました。
洋書を1ページ開くたびに、知らない単語が3つも4つも出てきます。
そのたびにペンを置き、辞書をめくり、意味をメモする……。
これを繰り返していると、どうなると思いますか?
物語の筋が、全く頭に入ってこないんです。
単語の意味は分かったはずなのに、読み終えたときには「あれ、結局これって誰が何をした話だっけ?」と呆然としてしまう。
一文の構造を解析することに必死で、文章が伝えてくれる「感情」や「風景」を楽しむ余裕が1ミリもなかったんです。
「めんどくさい」「しんどい」「進まない」
そんなネガティブな感情が積み重なり、結局、本を閉じてしまう。
このサイクルこそが、私の挫折の正体でした。
文字通り、辞書が足枷(あしかせ)になっていたんです。
内容が頭に入ってこない「虚無感」
辞書を引くのをやめてみた時期もありましたが、それはそれで別の地獄が待っていました。
内容がよく分からないまま、ただ文字だけを追っている状態。
これはもう「読書」ではなく「字面(じづら)を眺める作業」です。
「私は一体、何を読んでいるんだろう」
そんな虚無感に襲われ、英語そのものが大嫌いになりかけたこともあります。
巷で言われる「多読は辞書を引かずに読み飛ばせばいい」というアドバイスが、当時の私には無責任なものに感じられました。
「読み飛ばしても分からないなら、意味がないじゃないか」と、当時の私は本気で憤っていました。
難易度の高い本への「背伸び」
私は社会人として、また大学院を目指す身として、「ある程度難しい本を読めるようにならなければ」という焦りがありました。
ニュースサイトの記事や、少し難しめの小説。
「これくらい読めないと格好がつかない」という変なプライドが、私のレベルに合わない本を無理やり選ばせていたんです。
多読において「難しすぎる本」を選ぶことは、重すぎるダンベルで筋トレを始めるようなものです。
形は崩れるし、怪我をするし、何より続きません。
この「難易度のミスマッチ」に気づくまでに、私は数年という時間を無駄にしてしまいました。
一般的な「多読論」への違和感
ネットや本で見かける「多読」の成功体験の多くは、「とにかく100万語読みなさい」といった数字に重点を置いている気がしました。
でも、100万語という巨大な数字を前にすると、初心者はそれだけで圧倒されてしまいます。
また、「好きなものを読めばいい」と言われても、そもそも自分のレベルで読める「好きなもの」が見つからなくて困っているんです。
私は思いました。
「もっと自分のレベルを下げて、プライドを捨ててみたらどうなるだろう?」
「誰に見せるわけでもないんだから、絵本から始めたっていいじゃないか」
これが、私の多読のやり方が劇的に変わった大きな転換点でした。
多読 英語 やり方:私が実践した続け方と習慣化のコツ

挫折のどん底にいた私を救ってくれたのは、驚くほど単純な「レベルの引き下げ」と「生活の仕組み化」でした。
1. プライドを完全に捨てて「プーさん」から始めた
最初に手にとったのは、かつての私なら「こんなの子供が読むものだ」と一蹴していたであろう、非常に簡単な本でした。
具体的には「くまのプーさん(Winnie-the-Pooh)」の、さらに子供向けに平易に書き直されたシリーズです。
ページを開くと、1ページに1文か2文。
使われている単語も、中学校で習うようなものばかり。
でも、この本を読み始めた瞬間、目から鱗が落ちました。
「辞書を一度も引かずに、物語を映像としてイメージできる」
この当たり前のような体験が、当時の私には衝撃的なほど快感だったんです。
「あ、私は今、英語をそのまま英語として受け取っている!」
そんな実感が初めて湧いてきました。
これが多読の本当のスタートラインでした。
2. 朝一番、最強の自分を「多読」に充てる
仕事、育児、家事。
忙しい社会人生活の中で、いつ多読をするかは大きな課題でした。
最初は「寝る前の15分」にやろうとしたのですが、これはうまくいきませんでした。
仕事でヘトヘトになった脳では、英語の文字がただの記号にしか見えず、2分で寝落ちしてしまうからです。
そこで、思い切って朝一の1時間を多読に充てることにしました。
まだ家族が起きてこない、静まり返ったリビングで、コーヒーを淹れる。
その時が、一日の中で一番やる気がみなぎっていて、脳もフレッシュな状態です。
「夜に頑張る」のをやめて、「朝のご褒美」として英語を読むことにしたんです。
この生活習慣の変更こそが、私が多読を習慣化できた最大の要因だと思います。
3. Kindleという革命的なツールの活用
多読において、Kindle(電子書籍)はなくてはならない相棒になりました。
昔のように重い辞書をめくったり、スマホの辞書アプリに単語を打ち込んだりする必要はありません。
Kindleなら、単語を長押しするだけで瞬時に意味が表示されます。
「多読は辞書を引かないのが原則」と言われますが、どうしても気になる単語はあるものです。
Kindleのおかげで、調べることが「中断を伴う作業」にならず、「一瞬の確認」で済むようになりました。
これにより、読書のフロー(没頭感)を妨げることなく、適度に語彙の知識も補強していくことができました。
また、薄くて軽いKindle Paperwhiteは、どこへでも持ち運べる「自分だけの図書館」になってくれました。
4. スヌーピーという味方を引き入れる
我が家では子供がスヌーピー(Peanuts)が好きだったこともあり、スヌーピーの単語本や漫画がいくつかありました。
これが実は多読には最適なんです。
スヌーピーのセリフは、一見簡単そうですが、非常に哲学的で含蓄があります。
「短くて、簡単で、内容が普遍的」
こうした、自分が親しみを感じられるキャラクターの本を生活の中に置いておくことで、多読のハードルがぐっと下がりました。
子供と一緒に絵本を眺める時間も、私にとっては立派な多読の時間になったんです。
5. 文法を「盾」にして、時々立ち止まる
多読を続けていると、どうしても「なんとなく読めているけれど、実はよく分かっていない」という複雑な一文に出会います。
そんなときは、今の私はあえて一旦立ち止まります。
そして、文法の知識を「盾」にして、文の構造を解析するようにしています。
「主語はこれ、動詞はこれ。じゃあこのthat節はどこまでかかっている?」
そうやって、パズルのように構造を紐解く時間をあえて作ります。
多読は量をこなすものですが、時々こうして「精読的」な視点を入れることで、適当に流し読みをする癖が修正され、読解の精度が上がっていきました。
特に大学院の授業や資格試験の長文では、この「構造を瞬時に見抜く力」が多読によって劇的に強化されました。
6. 要約という「しんどいけど絶対やるべき」トレーニング
これが一番きついのですが、一番効果があったことです。
一定の区切り(数ページや1章分など)を読み終えたら、その内容を自分の言葉で要約するようにしました。
最初は日本語で構いません。
「さっき読んだところには、こんな登場人物が出てきて、こんなトラブルが起きて、こう解決した」
これを言語化しようとすると、いかに自分が「分かったつもり」で読み飛ばしていたかが痛いほど分かります。
要約をすることで、脳が情報を整理し、物語の内容が長期記憶に定着しやすくなりました。
正直、かなりしんどい作業ですが、これをやることでリーディングスピードは圧倒的に速くなりました。
なぜなら、次に読むときに「これまでの流れ」が頭にしっかり入っているため、予測しながら読めるようになるからです。
多読 英語 やり方の落とし穴:初心者が挫折する注意点

多読は素晴らしい方法ですが、一歩間違えるとまた「挫折の道」に戻ってしまいます。
初心者がやりがちなミスを、私の苦い経験からお伝えします。
「難易度の階段」を急いで登ろうとする
少しでもスムーズに読めるようになると、「次はもっと難しい本に挑戦しなきゃ!」と焦ってしまいがちです。
でも、多読においては「物足りない」「簡単すぎる」くらいがちょうどいいんです。
難しい本に手を出すと、また辞書との格闘が始まり、脳が疲れ、最終的に本を開かなくなります。
「もうこのレベルは完璧だ、1ミリの不安もない」と確信できるまで、同じレベルの本を何十冊も読むこと。
この「横への広がり」を大切にせず、縦にばかり急ごうとするのは、初心者が最も陥りやすい罠です。
私はこの焦りのせいで、何度「多読の習慣」をゼロに戻してしまったかわかりません。
返り読み(日本語の語順に直す)の癖
英文を読みながら、無意識に後ろから前に戻って訳してしまう。
これは日本の学校教育で染み付いた強力な癖ですが、多読においては最大の敵です。
返り読みをしている限り、読解スピードは物理的に上がりません。
「英語を頭から、前から順番に、左から右へ読んでいく」
これを徹底するためには、返り読みができないくらいのスピード感で読む練習が必要です。
「意味が100%分からなくても、目線だけは戻さない」
これを意識するだけで、脳の使い方が「翻訳モード」から「英語処理モード」に切り替わっていきます。
意味を掴もうとしすぎて、ストーリーを忘れる
不思議な話ですが、一文一文の和訳に集中しすぎると、物語全体が何を伝えているのかが分からなくなることがあります。
これは、脳のメモリーを「翻訳」に使い果たしてしまっている状態です。
多読の目的は、詳細な翻訳をすることではありません。
「今、主人公は怒っているんだな」「今は悲しい場面なんだな」という、大まかなトーン(トーン・アンド・マナー)を掴むことを優先してください。
細かい枝葉にこだわって、大きな森を見失わないように注意が必要です。
多読 英語 やり方で迷う人へ:よくある誤解と勘違い

ネットやSNSで広まりがちな多読のイメージについて、「それは少し違うかもしれない」と私が実体験から感じている点をお話しします。
「辞書は絶対に引いてはいけない」という極端なルール
多くの多読ガイドには「辞書は引くな」と書かれています。
確かに、辞書を引かずに推測する力は大切ですが、それを守りすぎて「分からない単語が気になってイライラして読書に集中できない」という本末転倒な状態になっている人をよく見かけます。
私は、「Kindleなどで一瞬で調べられるなら、引いてもいい」というスタンスです。
大切なのは「調べることに時間をかけすぎないこと」であり、調べること自体が悪ではありません。
ストレスを感じるくらいなら、サッと調べてスッキリしてから読み進めたほうが、結果的に長く読み続けられます。
ただし、1ページに10回も引かなければならないなら、それは本が難しすぎます。
レベルを下げましょう。
「100万語読めばペラペラになる」という期待
「100万語多読」は有名な指標ですが、それだけで全ての英語力が魔法のように解決するわけではありません。
多読はあくまで「インプット」の質と量を高めるものであり、話せるようになるためには、これとは別に「アウトプット」の練習が必要です。
「多読さえしていればいい」という過度な期待は、成果が出ない時期にあなたを苦しめることになります。
多読は、将来的に英語を自由に使いこなすための、巨大な「土台」を作る作業だと思ってください。
土台がしっかりすれば、その後の英会話やライティングの学習効率が、それまでとは比べものにならないほど上がります。
「多読は子供向けの本から始めるべき」という固定観念
確かに子供向けの本は語彙が易しいですが、大人が読んでも全く興味が持てない、退屈な絵本を無理に読む必要はありません。
興味が持てない本を読み続けるのは、大人にとっては苦行以外の何物でもないからです。
最近では、大人の学習者向けに「語彙を制限しながらも、内容は大人向け」というGraded Readers(グレーデッド・リーダーズ)などの本がたくさんあります。
ニュース記事やビジネスのコラム、あるいは好きな趣味のWebサイトを多読の素材にすることだってできます。
「易しい」と「面白い」の両立を、決してあきらめないでください。
多読 英語 やり方を続けた結果:スコアと読解スピードの変化

今の私が、かつての「1ページ目から辞書を引いて絶望していた自分」に声をかけるとしたら、こう言うでしょう。
「大丈夫だよ、その本を今すぐ閉じて。
それは今のあなたには重すぎる。
もっとあなたの心が軽くなる、絵本やキャラクター本から始めてごらん。
100万語なんて遠い目標を見なくていい。
まずは、今日の5ページを楽しめたら、それで100点満点なんだよ」
多読を本格的に習慣化して数年。
私の英語の世界は劇的に変わりました。
まず、リーディングスピードが圧倒的に速くなりました。
以前は20分かかっていたニュース記事が、今では5分で、しかも意味をしっかり掴みながら読めるようになりました。
その結果、TOEFL iBT 90点やIELTS 7.0といった、以前の自分では想像もできなかったスコアを出すことができました。
それは特別なテクニックを覚えたからではなく、単に「英語を頭から読む体力」が多読によってついたからだと思っています。
そして何より大きかったのは、「英語を読むことが、生活の彩りになった」ことです。
朝の静かな時間に、自分の好きな英語の本を開く。
そこには、試験勉強のような緊張感や、誰かに採点されるプレッシャーはありません。
ただ、新しい物語との出会い、新しい知識との出会いを純粋に楽しむ時間が流れています。
遠回りだったかもしれません。
最初から正しい多読のやり方を知っていれば、もっと早くこの境地にたどり着けたかもしれません。
でも、あの苦しかった「辞書格闘時代」があったからこそ、今、スラスラ読める喜びが人一倍強く感じられるのだとも思っています。
挫折した経験は、決して無駄ではありません。
それは、あなたが自分に合った方法を模索している、真剣なプロセスの証拠なんですから。
多読 英語 やり方まとめ:今日から10万語に近づく始め方

ここまで、私の体験をたっぷり交えながら英語多読のやり方についてお話ししてきました。
最後に、今日からあなたが多読を始めるためのステップを優しく整理しておきます。
プライドを完全に捨てて、「自分には簡単すぎる」と思う本から選ぶ。
くまのプーさん、スヌーピー、あるいはレベルの低いGraded Readersがおすすめです。
やる気が一番みなぎる「朝一」の時間を多読に充ててみる。
一日の始まりに「英語を読めた」という達成感を持つことが、継続のガソリンになります。
Kindleのような電子ツールを賢く使い、調べる手間を極限まで減らす。
文明の利器はどんどん使いましょう。
文章は常に「頭から」読み、返り読みをしない癖をつける。
後ろから訳さず、英語の語順通りに世界を受け入れる訓練を。
「しんどいけれど、要約する」ステップを時々入れる。
読んだ内容を自分の言葉でまとめることで、リーディングの精度が格段に上がります。
多読は、誰かと競うものではありません。
あなたが今日、昨日よりも一言分、多くの英語を心で感じることができたなら、それは立派な前進です。
いきなり1時間読もうとしなくて大丈夫です。
まずは今日、あなたが「これなら読めそう」と思える本を一冊だけ、あるいはWeb上の短い記事を一つだけ、見つけてみることから始めてみませんか?
もし、どんな本を選べばいいか迷ったり、途中で挫折しそうになったりしたときは、この記事をまた読みに来てください。
あなたが英語という海を、自由自在に、そして楽しく泳ぎ回れるようになる日を、私は心から応援しています。
