英語のリスニング力を上げたい、ネイティブのようにスムーズに話せるようになりたい。
そう願って英語学習を続けている方の多くが、一度は耳にするのがリピーティングというトレーニング法です。
しかし、いざ挑戦してみると「一文が長すぎて覚えられない」「ただ音を真似しているだけで意味が入ってこない」「自分の発音が正しいのか分からず不安」といった悩みに直面することも少なくありません。
実は、リピーティングは非常にシンプルながらも、正しいやり方を守らなければ効果が半減してしまう、奥の深い練習法です。
間違ったやり方で続けると、単なる「音の暗記」になってしまい、肝心の英語脳は育ちません。
逆に、正しいステップを踏めば、驚くほど短期間で「英語がスッと耳に入ってくる」「口から自然とフレーズが飛び出す」という変化を実感できるようになります。
本記事では、プロの視点から、初心者が陥りがちな罠を避け、着実に成果を出すためのリピーティングのやり方を徹底解説します。
さらに、2026年現在の最新トレンドを踏まえた、学習効率を最大化してくれるおすすめの教材・アプリも厳選してご紹介します。
この記事を読み終える頃には、あなたは迷いなくリピーティングを実践し、英語力を劇的にアップデートさせる一歩を踏み出せているはずです。
リピーティング教材・アプリの失敗しない選び方

リピーティングの成果を左右する最大の要因は、実はトレーニングそのものよりも素材選びにあります。
自分のレベルや目的に合わない教材を選んでしまうと、脳への負荷が過剰になり、数日でモチベーションが尽きてしまうからです。
選ぶ際に必ずチェックすべき4つのポイントを詳しく解説します。
1. 文章の長さが「一息で言える」程度のものを選ぶ
リピーティング初心者が最もやってはいけないのが、ニュース番組や映画の長いセリフをそのまま使おうとすることです。
リピーティングは、聞いた音を一時的に脳(ワーキングメモリ)に保持し、それを再現する作業です。
文章が長すぎると、内容を覚えることだけに必死になり、音の細部や意味の理解まで意識が回りません。
まずは1文が5語から10語程度の短いものから始めるのが正解です。
慣れてきたら徐々に長くしていくのが、挫折しないコツです。
2. スクスクリプト(英文)と日本語訳が100%ついていること
「リピーティングは耳だけでやるもの」という誤解がありますが、初心者のうちはテキストの助けが不可欠です。
自分が聞き取った音が本当に正しいのか、その文章がどんな意味なのかを即座に確認できないと、間違った音や意味で定着してしまいます。
英文・和訳・音声の3点セットが揃っている教材を必ず選んでください。
特に、音の繋がり(リンキング)などの解説がついているものだと、上達がさらに早まります。
3. 自分のレベルより「少し簡単」だと思えるものを選ぶ
リピーティングは、リスニング、短期記憶、スピーキングの3つを同時に行う非常に高度なトレーニングです。
そのため、単語や文法が難しい素材を選ぶと、脳がパンクしてしまいます。
目安としては、スクリプトを読んで内容が100%理解できるもの、あるいは「今の自分には少し易しすぎるかな」と感じるレベルが最適です。
「読めるけれど、音だけで再現するのは意外と難しい」というレベルこそが、最も学習効果が高まります。
4. 再生・停止・巻き戻しの操作性が高いこと
リピーティングは「聞いて、止めて、言う」の繰り返しです。
一時停止の操作がしにくい、数秒戻したいのに大幅に戻ってしまう、といったツールを使うと、大きなストレスになります。
最近の英語学習アプリには、一文ごとに自動で停止する機能や、ワンタップで数秒戻る機能が備わっているものが多いです。
デジタルツールを選ぶ際は、自分のリズムで快適に操作できるかどうかが継続の鍵となります。
リピーティング練習におすすめのサービス・アプリ10選

現在、英語学習市場には数多くのサービスがありますが、特に「正しく効率的に学べる」ものを10個厳選しました。
2026年現在の最新機能を踏まえて、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
1. スタディサプリEnglish(新日常英会話・ビジネス)
リクルートが提供する、日本人に最適化された学習アプリです。
ドラマ形式のストーリーを楽しみながら、リピーティングやシャドーイング、ディクテーションなどのトレーニングがシームレスに行えます。
特徴:
スマホ1台で完結し、一文ごとに音声が止まる機能があるため、リピーティングには最高の環境です。
また、プロの講師による「神授業」動画があり、音の繋がりや重要表現を丁寧に解説してくれます。
メリット:
1レッスンが最短3分からと短く、通勤・通学などのスキマ時間で無理なく続けられます。
自分の発音を録音して手本と比較できるため、客観的に弱点を把握できます。
デメリット:
月額料金がかかるサブスクリプション制であるため、完全に無料で学びたい人には不向きです。
2. ELSA Speak(エルサ・スピーク)
AIが発音を精密に矯正してくれるアプリですが、リピーティング練習にも非常に有効です。
特徴:
AI技術により、音節レベルで発音のズレを指摘してくれます。
提示された英文を聞き、それをリピートすると、ネイティブとの一致度を%で表示してくれます。
メリット:
「なんとなく真似する」レベルを超えて、正しい音が出せているかを数値で確認できます。
自分が苦手な音(LとRの違いなど)を特定し、集中的に克服できるカリキュラムが優秀です。
デメリット:
文法や文脈の理解よりも「音の正確性」に特化しているため、総合的な読解力を並行して鍛える必要があります。
3. シャドテン(SHADOTEN)
シャドーイングに特化したサービスですが、その前段階としてのリピーティング練習にも非常に適しています。
特徴:
毎日録音した音声を送ると、英語のプロが「どこが聞き取れていないか」「どう発音すべきか」を具体的にフィードバックしてくれます。
メリット:
自己流の「間違ったリピーティング」を防げる点が最大。
ビジネス英語、TOEIC、ニュースなど、質の高い音声素材が豊富に揃っています。
デメリット:
月額料金が他のアプリに比べて高価(約2万円〜)であるため、本気で結果を出したい人向けの投資となります。
4. NHK英語講座(アプリ・ラジオ)
長年日本人の英語学習を支えてきた、信頼と実績のNHKコンテンツです。
特徴:
「ラジオ英会話」などの人気講座をアプリで聞き、テキストを使ってリピーティングを行います。
日本人がつまずきやすいポイントを熟知した解説が魅力です。
メリット:
自分に合ったレベルの講座を必ず見つけられる層の厚さがあります。
月額料金が非常に安く(テキスト代のみ)、家計に優しいのも大きな利点です。
デメリット:
能動的に「音声を止めてリピートする」という作業を自分で行う必要があり、強制力はアプリに劣ります。
5. EnglishCentral(イングリッシュ・セントラル)
動画視聴、単語学習、そしてリピーティング(スピーキング)を組み合わせた総合学習アプリです。
特徴:
数万本の動画の中から自分の興味のあるものを選び、字幕を埋める形や、セリフをリピートする形で練習します。
メリット:
動画ベースなので、視覚情報(身振り手振りや表情)からも情報を得やすく、初心者でも挫折しにくいです。
AIがリアルタイムで発音を判定してくれます。
デメリット:
動画によっては難易度が高すぎるものもあり、自分に合った素材を選ぶ目が必要です。
6. TED Me
世界中の著名人のプレゼンを視聴できるTEDを題材にした学習アプリです。
特徴:
英語と日本語の字幕を同時に表示でき、フレーズごとにリピート再生が非常にスムーズです。
メリット:
内容が非常に知的で面白いため、単なる語学学習以上の価値を感じられます。
完全無料で使える範囲が広いのも、学習者には嬉しいポイントです。
デメリット:
スピーカーによって話し方の癖やスピードが異なるため、初心者には少しハードルが高い場合があります。
7. RedKiwi(レッドキウイ)
YouTubeの短尺動画を活用した、リスニングとスピーキングの特化型アプリです。
特徴:
映画、アニメ、インタビューなどのワンシーンを切り取り、一文ずつディクテーションやリピーティングを行います。
メリット:
「教科書的な英語」ではない、生きた自然なフレーズに触れることができます。
1つの動画が短いため、飽きずに進められます。
デメリット:
無料版では1日に利用できる時間に制限があります。
8. Duolingo(デュオリンゴ)
世界で最も利用されている、ゲーム感覚で学べる言語学習アプリです。
特徴:
文章を読み上げるリピーティング問題が頻繁に出題されます。
正解するとポイントがもらえるなど、継続させる仕組みが秀逸です。
メリット:
完全初心者でも「英語を話すこと」への抵抗感をなくすことができます。
圧倒的に続けやすく、習慣化には最適です。
デメリット:
一文一文が独立しており、文脈の中で英語を捉える練習としては少し弱いです。
9. VoiceTube(ボイスチューブ)
YouTubeの動画を英語学習教材に変えてくれるアプリです。
特徴:
「リピート再生」機能が充実しており、自分が気に入ったフレーズを何度でも繰り返し練習できます。
メリット:
字幕の単語をタップするだけで意味が調べられる辞書機能が便利です。
最新のトレンド動画で学べるため、モチベーションが維持しやすいです。
デメリット:
動画の種類が多すぎて、どれを教材にするか迷ってしまうことがあります。
10. 究極の英会話(アルク)
通信教育大手のアルクが提供する、リピーティングに特化した教材アプリです。
特徴:
日本人が最もよく使う重要フレーズを厳選し、リピーティング、ロールプレイの形式で徹底的に叩き込みます。
メリット:
「リピーティングするための設計」がなされているため、非常に使い勝手が良いです。
実用的なフレーズが多いため、そのまま英会話で使えます。
デメリット:
画面デザインが少しシンプルで、エンタメ性を求める人には物足りないかもしれません。
おすすめ教材・サービス比較表

自分にぴったりのツールを見つけるために、主要なポイントを整理しました。
| サービス名 | 月額料金(目安) | 形式 | 添削・判定 | おすすめレベル |
|---|---|---|---|---|
| スタディサプリ | 約2,178円 | ドラマ形式アプリ | AI判定 | 初級〜中級 |
| ELSA Speak | 約900円〜 | 発音矯正特化 | AI(超精密) | 全レベル |
| シャドテン | 約21,780円 | 添削サービス | プロの人間 | 中級〜上級 |
| NHK英語講座 | 約500円〜 | ラジオ・アプリ | 自己採点 | 初級〜上級 |
| EnglishCentral | 約2,000円〜 | 動画学習 | AI判定 | 初級〜上級 |
| TED Me | 無料 | プレゼン動画 | なし | 中級〜上級 |
| RedKiwi | 約1,000円 | 短尺動画アプリ | なし | 初級〜中級 |
| Duolingo | 無料(一部有料) | ゲーム形式 | AI判定 | 完全初心者 |
| VoiceTube | 無料(一部有料) | 動画学習 | なし | 全レベル |
| 究極の英会話 | 約1,200円〜 | フレーズ学習 | なし | 初級〜中級 |
初心者でも効果が出るリピーティングの正しいやり方(5ステップ)

教材を選んだら、いよいよ実践です。
「ただ聞こえた音を繰り返すだけ」というやり方では、脳に英語の回路は作られません。
以下の5つのステップを意識して、1文ずつ丁寧に取り組んでみてください。
ステップ1:まずは何も見ずに音声を数回聞く
最初からテキストを見てはいけません。
まずは耳だけに集中して、どれくらい聞き取れるかチェックします。
「何についての話か」という大まかな意味と、「どんな音の塊(チャンク)があるか」を把握しようとする姿勢が大切です。
この「分からない部分を特定する」作業こそが、後の学習効果を劇的に高めます。
ステップ2:スクリプトを読み込み、意味を100%理解する
ここでテキストを解禁します。
知らない単語や文法をすべて調べ、一字一句の意味を完璧に把握します。
「意味が分からない音を繰り返すのは、ただの呪文の暗記」です。
内容がクリアにイメージできる状態になって初めて、リピーティングの準備が整います。
もしこの段階で難しすぎると感じたら、教材のレベルを下げましょう。
ステップ3:音声を1文ずつ止めて、リピートする
いよいよ本番です。
音声を流し、1つの意味の塊(文)が終わったところで停止させます。
そして、今聞こえた音をそっくりそのまま、自分の口で再現します。
このとき、「音だけでなく、話者の感情や抑揚、リズムまで完全にコピーする」ことが重要です。
一文が長くて覚えられない場合は、文をさらに短く区切って練習しても構いません。
ステップ4:自分の声を録音し、お手本と比較する
多くの人が飛ばしてしまいがちですが、最も重要なのがこのステップです。
自分の声をスマホなどで録音し、お手本の音声と交互に聞き比べてみます。
「リズムが違う」「音がつながっていない」「母音が全然違う」といった、自分では気づかなかった弱点が面白いほど見つかります。
この客観的なフィードバックを繰り返すことで、耳と口が急激に鍛えられます。
ステップ5:テキストを見ずに、完璧に再現できるまで繰り返す
最後は、スクリプトを見ない状態で、お手本と同じスピード、同じイントネーションで言えるようになるまで追い込みます。
1つの文章につき、最低でも10回から20回は繰り返してみてください。
何も考えなくても口が勝手に動く状態(自動化)まで持っていくのがゴールです。
この「仕上げ」を丁寧に行うことで、実際の会話で使える英語が蓄積されていきます。
リピーティングに関するよくある質問(FAQ)

リピーティングを始める際、あるいは続けている中で多くの人が抱く疑問に回答します。
Q1:シャドーイングとリピーティング、どちらを先にやるべきですか?
A:圧倒的にリピーティングを先にやるべきです。
シャドーイング(音声を止めずにすぐ後を追いかける)は、非常に負荷の高いトレーニングです。
初心者がいきなりシャドーイングをすると、音を追うだけで精一杯になり、意味の理解が疎かになります。
まずはリピーティングで、一文一文を丁寧に理解し、再現する力をつけることが、シャドーイングを成功させるための近道です。
Q2:毎日どれくらいの時間練習すればいいですか?
A:1日15分から30分を毎日続けるのが理想的です。
リピーティングは脳を酷使するため、長時間の練習は集中力が持ちません。
「週末にまとめて3時間」よりも「毎日15分」の方が、脳への定着率は圧倒的に高いです。
スキマ時間を活用して、習慣化することを目指しましょう。
Q3:発音が悪くても効果はありますか?
A:はい、効果は絶大です。
むしろ、発音が悪いと感じている人こそリピーティングが必要です。
自分の発音が悪い最大の原因は「正しい音を聞き取れていない」ことにあります。
リピーティングを通じてお手本の音を精密に真似ようとすることで、耳が鍛えられ、結果的に発音も劇的に改善されます。
最初から完璧を目指さず、まずはリズム(強弱)を真似することから始めましょう。
Q4:一文がどうしても覚えられません。記憶力の問題でしょうか?
A:記憶力ではなく、「英語の塊(チャンク)」で捉える力の問題です。
単語をバラバラに覚えようとするとすぐに限界がきますが、意味のまとまりとして捉えると、長い文でも覚えられるようになります。
最初は文を細かく区切り、その短い塊を確実に再現できるように練習してください。
慣れてくると、一度に保持できる英語の量(ワーキングメモリ)が自然と増えていきます。
Q5:TOEIC対策にもリピーティングは有効ですか?
A:リスニングパートのスコアアップには、これ以上ないほど有効です。
TOEICでスコアが伸び悩む原因の多くは「音は聞こえるが、意味が追いつかない」ことにあります。
リピーティングを行うと、音を聞いた瞬間に意味を処理する「英語脳」が鍛えられるため、パート3やパート4の長文放送も楽に聞き取れるようになります。
Q6:日本語訳を思い浮かべながらリピートすべきですか?
A:最初のうちは必要ですが、最終的には「イメージ」を浮かべるのが理想です。
「Apple」と聞いたときに「りんご」という日本語を介さず、赤い果実を思い浮かべるように。
練習を繰り返す中で、日本語に訳すのをやめ、その文章が表す場面や状況を映画のワンシーンのように頭に描くように意識してみてください。
Q7:自分の声を録音するのが恥ずかしいのですが…
A:その気持ち、よく分かります!
しかし、自分の声を聞くことは「最も痛いが、最も効果的な薬」です。
恥ずかしさを乗り越えて一度自分の音と向き合うと、改善点が明確になり、そこからの成長スピードが加速します。
数週間前の録音と今の録音を聞き比べてみてください。
自分の成長を実感できる最高の瞬間になるはずです。
まとめ:リピーティングで「英語が話せる」自分へ

英語のリピーティングは、リスニング力とスピーキング力を同時に引き上げる、非常にパワフルなトレーニングです。
大切なポイントをもう一度おさらいしましょう。
- 自分に合った(少し易しめの)素材を選ぶこと
- 意味を完璧に理解してからリピートすること
- 録音して、お手本との「差」を確認すること
- 毎日短時間でも、楽しみながら続けること
リピーティングを習慣にすれば、ある日突然、今まで雑音のように聞こえていた英語が、はっきりとした「意味」を持って耳に届くようになります。
それは、あなたの世界がパッと広がる、本当に感動的な体験です。
英語学習に「遅すぎる」ということはありません。
そして、才能も必要ありません。
必要なのは、正しいやり方と、今日から始めるほんの少しの勇気だけです。
まずは今日、ご紹介した10個のサービスの中から直感で面白そうだなと感じたものを1つだけインストールして、最初の1文をリピートしてみませんか?
その小さな一歩が、数ヶ月後のあなたの英語力を、想像もできないほど高い場所へと運んでくれるはずです。
