中学英語のリスニングが苦手なら、教材を15個集めるのをやめよう。まず英検公式の過去問を1回分だけ解き、間違いを「単語」「音のつながり」「設問の読み違い」に分ける。原因に合わせて同じ音声を聞き直せば、次に何を練習するかが決まります。
この記事では、公式に問題・音源・解答がそろう英検5級〜3級を軸に、初心者向けのVOA教材を補助として紹介します。毎日新しい音声を流すより、1つの素材を解き直して「聞こえなかった理由」を潰す。まず試しやすい出発点です。
最初にやること:過去問1回で弱点を見える化
「聞き取れない」は原因が一つではありません。知らない単語、知っているのに音がつながって聞こえない、選択肢を先に読めず必要な情報を逃す——対策が違うものを、まとめて「耳が悪い」と片づけると遠回りになります。

- 音声だけで解く。途中停止やスクリプト確認はせず、実戦と同じ条件で回答する。
- 答え合わせをする。正解数だけでなく、間違えた問題の英文と選択肢を確認する。
- 聞けなかった箇所を分類する。語彙・音の連結や弱化・数字や固有名詞・設問の読み落とし、のどれかをメモする。
- スクリプトを見て音声を再生する。どの語が聞こえなかったかを指で追い、意味と音を結び直す。
- 最後にスクリプトを閉じて再挑戦する。解けるようになったかを確かめる。正解した問題も、根拠の音が取れていたか見直す。
初回の点数を実力の判定に使う必要はありません。初回は診断です。次の回で比べるために、間違いの種類と「聞き直した後に解けたか」だけ記録してください。
無料で使う教材は3つに絞る
「完全無料」と言い切れる範囲は、アプリの機能変更や地域・登録条件で変わります。ここでは公式サイト上で問題やレッスンが公開されている教材を優先し、機能や料金を確認できないアプリはおすすめ枠から外しました。

1. 英検5級:中学初級程度の基礎を確認
英検協会は5級をおよそ中学初級程度と案内し、過去1年分の問題・解答・リスニング音源を公開しています。英語を始めたばかり、または短い会話でも音声が速く感じる人はここから。問題冊子、リスニング原稿、音源を同じ回で使えます。
向く人:基礎語彙や短い応答からやり直したい人。注意:5級の問題だけを繰り返して満足せず、解けるようになったら4級へ移ります。
2. 英検4級:中学中級程度の会話を練習
英検協会の目安は中学中級程度。公式ページでは過去問、リスニング原稿、音源、解答を確認できます。学校の定期テストや英検の形式に近い素材を使いたい人の中心教材です。2026年度分を含む掲載回は公式ページで更新されるため、問題を開く前に最新の掲載回を確認してください。
向く人:基礎文法を学んでいて、短い会話の要点や応答を聞き取る練習をしたい人。注意:過去問は本番形式の診断に使い、音読・聞き直しはスクリプトで弱点を特定してから行います。
3. 英検3級:中学卒業程度へ進む
英検協会は3級を中学卒業程度と案内し、一次試験のリスニング音源や原稿、過去問・解答を公開しています。4級の音声を繰り返しても余裕がある人、少し長い英文や情報量に挑戦したい人向けです。
向く人:中学範囲の語彙・文法をひと通り学んだ人。注意:難しい級を選ぶこと自体に価値はありません。スクリプトを読んでも内容がほとんど分からない場合は4級に戻します。

発展用ならVOA。ただし定期テスト対策の主教材にはしない
VOA Learning Englishの「Let’s Learn English – Level 1」は、初学者向けに設計された52週のコースです。若いアメリカ人の生活を描く動画を中心に、語彙・会話・ライティングの学習素材があり、印刷できるワークシートや評価問題、指導案も公開されています。公式説明では全52週のコースです。英検形式とは違う会話に触れたいとき、学校教材に週1本を追加する用途に向きます。
VOA Let’s Learn English – Level 1(公式)
ただし、米国での生活場面や動画の理解が中心です。日本の中学校の教科書・定期テストと出題範囲が一致するわけではありません。まず学校教材か英検過去問を主軸にし、余力で使いましょう。動画を見ただけで終わらせず、レッスン素材の設問に答え、聞こえた内容を短く日本語で言い直すと目的を持って聞けます。

「聞き流し」をやめる14日間の練習法
1日10〜15分、同じ問題または短い音声を使います。新しい教材を次々に試すのではなく、再生・解答・照合・再挑戦をひとまとまりにします。時間は目安です。部活や宿題が重い日は、1問だけでも「聞けなかった理由の記録」まで進めてください。
表は横にスクロールできます。
| 期間 | やること | 残す記録 |
|---|---|---|
| 1〜2日目 | 英検の現学年相当を1回分、止めずに解く | 正解数・間違いの種類 |
| 3〜6日目 | 間違えた設問のスクリプトを確認し、音声と英文を照合 | 聞けなかった語句・音 |
| 7日目 | 同じ問題をスクリプトなしで解き直す | 正解に変わった問題 |
| 8〜13日目 | 別の回を1つ解く。前回と同じ方法で復習 | 同じ間違いが減ったか |
| 14日目 | 初回と同程度の問題を止めずに解く | 正解数と原因別の変化 |
この2週間で点が伸びると約束はできません。見るのは点数だけではなく、初回に「音のつながり」で落とした問題が、英文を確認した後に聞き取れたかです。変化がなければ、次は教材を増やす前に、語彙を知らなかったのか、問題の形式を理解していなかったのかを切り分けます。

なぜ、スクリプトを見てから聞くのか
文部科学省の中学校学習指導要領解説は、聞く活動を通じた理解を授業で繰り返すこと、目的に応じて必要な情報や概要を聞き取ることを示しています。ここで紹介した「解く→英文で確認→同じ音声を聞き直す」は、ただ音声を流すのではなく、聞く目的と確認を作る家庭学習の一例です。特定のアプリが成績を上げるという根拠ではありません。

結論:最初の1週間は教材を変えず、聞けない原因を記録する
今日やるのは、英検5級・4級・3級から今の自分に合う1回分を選ぶことです。時間を計って解き、間違いを分類し、英文を見ながら音声を聞き直す。難しすぎるなら一つ下の級へ、余裕があるなら一つ上へ移動する。15個のアプリを比較するより、この往復を1週間続けたほうが次の一手を決めやすくなります。
教材の比較基準を詳しく知りたい人は、無料リスニング教材の選び方も確認してください。
よくある質問
無料教材だけで中学英語のテスト対策はできますか?
英検公式の過去問と学校の教科書音声を中心にすれば、リスニング練習は始められます。ただし、定期テストの範囲・語彙・教科書本文は学校ごとに異なります。テスト前は学校配布の音源やワークを優先し、英検教材を補助にしてください。
聞き流しを続ければ、自然に聞き取れるようになりますか?
聞き流しだけでは、聞けなかった部分や原因を特定できません。意味が分からなかった英文を確認し、同じ音声を再度聞く練習を組み合わせてください。音に慣れる時間は必要ですが、確認を省くと学習の手応えを測りにくくなります。
スクリプトは最初から見てもよいですか?
最初の診断では、先に音声を聞いて答えるのがおすすめです。その後の復習ではスクリプトを見て構いません。先に答えを見てしまうと、初見でどの情報を聞き取れなかったか分からなくなるためです。
何割正解できれば、次の級へ進めますか?
記事内で一律の合格ラインは決めません。数値は回ごとの難しさや得意不得意に左右されます。同じ級の別回を止めずに解き、苦手の原因を復習で直せるか確認してください。英文を読んでも意味が取れない場合は、級を下げるか語彙・文法に戻ります。
音声を遅くして練習したほうがよいですか?
再生速度を調整できる教材なら、聞き取れない箇所を確認する目的で一時的に使えます。ただし、速度を落とした音だけで覚えず、最後は通常速度で再挑戦しましょう。公式音源で速度変更できない場合は、無理に別アプリへ移らず、音源とスクリプトの照合を行います。
英語が苦手な中学生はどの教材から始めればよいですか?
中学初級程度の英検5級から短い問題を試し、簡単なら4級へ進みます。すでに4級の音声を落ち着いて解けるなら3級を試します。学年だけで決めず、問題を聞いた後にスクリプトで内容を理解できるかを基準にしてください。
